ハウスキーピング協会から 13
この「ストーリー」と「メモリー」は、語りつくせないほどの事例があります。まるで人間関係に瓜二つが無いように、ストーリーと人間の関係は、同じものがありません。ただ、傾向(パーターンとも言える)があるのは事実です。人間に性格があるように、モノに対してもその人の傾向が表れ、これには共通性を見ることがしばしばあります。
一つの事例として、モノが人の手に渡る前から持っているストーリーに弱いという傾向の人がいます。ブランド志向などはその典型的な事例と言えます。ブランド品はいいものだというストーリーを買う訳です。ですからブランドショップ自体が地代のとんでもなく高い場所に作られその価値を高めています。なので海外旅行に行くと値段の安さで時として偽物をつかんでしまうこともあります。
またそのモノが持っている歴史や希少価値のようなものに惹かれる場合もあります。モノも制作者の意図が反映した本来の機能だけではなく、様々な洋服をまとっていくようなものです。いい意味で化けると言ってもよいでしょう。(つづく)